目次
政策は、「やりました」で終わっていいのか。
市では毎年、さまざまな事業が行われています。
子育て支援。
企業支援。
道路整備。
観光振興。
防災対策。
もちろん、どれも大切な取り組みです。
しかし私は、
「事業を実施した」
「予算を使った」
だけで終わってはいけないと考えています。
大切なのは、その先です。
その事業によって、
「市民の暮らしはどう変わったのか。」
「課題はどれだけ改善したのか。」
そこまで確認して、初めて政策の成果が見えてきます。
そこで必要になるのが「KPI」です。
KPIとは、
Key Performance Indicator
日本語では「重要業績評価指標」などと訳されます。
……と言われても、少し難しいですよね。
もっと簡単に言えば、
「目標にどれだけ近づいているかを確認するための数字」
です。
例えば、
「若者が働きたいと思える岩国にする」
という目標を掲げたとします。
この言葉だけでは、実際に前へ進んでいるのかどうかが分かりません。
そこで、
- 地元企業への就職者数
- 支援制度の利用者数
- 就職後の定着率
など、成果を確認するための数字を決めます。
そうすれば、「何となく良くなった気がする」ではなく、実際に成果が出ているのかを確認できるようになります。
改善して、次の政策へ
KPIを一言でいうと
「目標への進み具合を測るもの」政策を実施しただけで終わらず、成果を確認し、必要なら改善する。そのための「ものさし」がKPIです。
例えば、子育て支援ならどうでしょうか。
例えば、
「子育てしやすい岩国をつくる」
という目標を掲げたとします。
もちろん、大切な目標です。
しかし、
「子育て支援事業を実施しました」
「新しい制度をつくりました」
というだけでは、本当に子育てしやすくなったのかは分かりません。
そこで、
- 制度を利用した人はどれくらいいるのか
- 利用者の満足度はどうか
- 必要としている人に制度が届いているか
- 子育て世代の負担は軽くなったか
などを確認します。
もし利用者が少なければ、制度そのものが悪いとは限りません。
制度が知られていないのかもしれない。
申請方法が分かりにくいのかもしれない。
対象条件が実態と合っていないのかもしれない。
数字を見ることで、次に「何を改善すべきか」が見えてきます。
数字だけを追えばいいわけではありません。
ここも、とても大切です。
私は、
「何でも数字だけで判断すればいい」
とは考えていません。
行政には、数字だけでは測れない価値があります。
一人ひとりの声。
地域によって異なる事情。
制度を利用した方の実感。
現場でしか分からない課題。
こうしたものも大切です。
だからこそ、
「数字」と「現場の声」
その両方を見る必要があります。
データだけでもない。
感覚だけでもない。
両方を組み合わせて、より良い政策へ改善していく。
それが私の考える行政運営です。
KPIとEBPMは、どうつながるのか。
Vol.1では、EBPMについてお伝えしました。
EBPMは、データや根拠をもとに政策を考え、成果を確認し、改善していく考え方です。
そして、その「成果を確認するためのものさし」の一つがKPIです。
つまり、EBPMという考え方を、実際の行政運営の中で機能させるためにも、「何を成果とするのか」をあらかじめ考えておくことが重要です。
政策を始めてから、都合のいい数字を探すのではありません。
「何を良くしたいのか」
「どうなれば成果と言えるのか」
を最初に考える。
私は、この姿勢が大切だと考えています。
市民から見ても「成果が分かる市政」へ。
KPIを設定するメリットは、行政内部だけのものではありません。
市民の皆さまから見ても、
- この政策は何を目指しているのか
- どこまで進んでいるのか
- 成果は出ているのか
が分かりやすくなります。
これは、税金がどのような成果につながっているのかを、より分かりやすくすることにもつながります。
政策の目的と成果を、できるだけ市民に見える形にする。
私はそれが、行政への信頼にもつながると考えています。
私が目指す市政
私は、政策を「やったかどうか」だけではなく、「その結果、市民の暮らしがどう良くなったか」まで確認する市政を目指しています。
目標を決める。
成果を測る。
現場の声を聞く。
うまくいかなければ改善する。
そして、次の政策につなげる。
KPIは、そのための道具です。
大切なのは、KPIという横文字を使うことではありません。
市民の皆さまから見て、「何を目指しているのか」「何が変わったのか」が分かる行政にすることです。
限られた財源だからこそ、一つひとつの政策の成果に向き合う。
私はこれからも、「やりました」で終わらない市政を目指してまいります。
今回のポイント
- KPIは「目標への進み具合を測るものさし」
- 政策は実施することがゴールではない
- 数字と現場の声、両方を見ることが大切
- 成果が見えれば、改善すべきことも見えてくる
- 市民から見ても成果が分かる行政へ
「政策は、『やりました』で終わらせない。『何が良くなったか』まで確認する。」
これが私の考える、成果を重視する市政です。
執筆
瀬村 尚央(せむら ひさお)
岩国市議会議員
Vol.5
限られた財源で、最大の成果を生み出すには
「あれも必要、これも必要。」しかし、使える財源には限りがあります。では、本当に必要な政策をどう選び、市民のために最大の成果を生み出していくのか。次回は「限られた財源」をテーマに、私が考える政策の優先順位についてお伝えします。
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