瀬村尚央 政策コラム Vol.4

KPIとは何か?「やりました」で終わらない市政へ

政策は、実施することがゴールではありません。

「何が、どれだけ良くなったのか」まで確認する。そのために必要なのがKPIです。

瀬村尚央第1章政治の考え方約5分
目次

政策は、「やりました」で終わっていいのか。

市では毎年、さまざまな事業が行われています。

子育て支援。

企業支援。

道路整備。

観光振興。

防災対策。

もちろん、どれも大切な取り組みです。

しかし私は、

「事業を実施した」

「予算を使った」

だけで終わってはいけないと考えています。

大切なのは、その先です。

その事業によって、

「市民の暮らしはどう変わったのか。」

「課題はどれだけ改善したのか。」

そこまで確認して、初めて政策の成果が見えてきます。

そこで必要になるのが「KPI」です。

KPIとは、

Key Performance Indicator

日本語では「重要業績評価指標」などと訳されます。

……と言われても、少し難しいですよね。

もっと簡単に言えば、

「目標にどれだけ近づいているかを確認するための数字」

です。

例えば、

「若者が働きたいと思える岩国にする」

という目標を掲げたとします。

この言葉だけでは、実際に前へ進んでいるのかどうかが分かりません。

そこで、

  • 地元企業への就職者数
  • 支援制度の利用者数
  • 就職後の定着率

など、成果を確認するための数字を決めます。

そうすれば、「何となく良くなった気がする」ではなく、実際に成果が出ているのかを確認できるようになります。

図解でわかるKPIで政策はどう変わる?「やったか」ではなく、「良くなったか」を確認する。
1目標を決める若者が働きたい岩国へ
2数字を決める就職者数・定着率など
3政策を実行する就職・企業支援
4成果を確認する本当に改善したか?
成果が出たか?

改善して、次の政策へ

KPIを一言でいうと

「目標への進み具合を測るもの」政策を実施しただけで終わらず、成果を確認し、必要なら改善する。そのための「ものさし」がKPIです。

例えば、子育て支援ならどうでしょうか。

例えば、

「子育てしやすい岩国をつくる」

という目標を掲げたとします。

もちろん、大切な目標です。

しかし、

「子育て支援事業を実施しました」

「新しい制度をつくりました」

というだけでは、本当に子育てしやすくなったのかは分かりません。

そこで、

  • 制度を利用した人はどれくらいいるのか
  • 利用者の満足度はどうか
  • 必要としている人に制度が届いているか
  • 子育て世代の負担は軽くなったか

などを確認します。

もし利用者が少なければ、制度そのものが悪いとは限りません。

制度が知られていないのかもしれない。

申請方法が分かりにくいのかもしれない。

対象条件が実態と合っていないのかもしれない。

数字を見ることで、次に「何を改善すべきか」が見えてきます。

数字だけを追えばいいわけではありません。

ここも、とても大切です。

私は、

「何でも数字だけで判断すればいい」

とは考えていません。

行政には、数字だけでは測れない価値があります。

一人ひとりの声。

地域によって異なる事情。

制度を利用した方の実感。

現場でしか分からない課題。

こうしたものも大切です。

だからこそ、

「数字」と「現場の声」

その両方を見る必要があります。

データだけでもない。

感覚だけでもない。

両方を組み合わせて、より良い政策へ改善していく。

それが私の考える行政運営です。

大切なのは、どちらか一方ではありません。
数字・データ
利用者数定着率待ち時間満足度
現場の声
市民の声職員の気づき地域の事情利用者の実感
数字 × 現場の声より良い政策へ

KPIとEBPMは、どうつながるのか。

Vol.1では、EBPMについてお伝えしました。

EBPMは、データや根拠をもとに政策を考え、成果を確認し、改善していく考え方です。

そして、その「成果を確認するためのものさし」の一つがKPIです。

つまり、EBPMという考え方を、実際の行政運営の中で機能させるためにも、「何を成果とするのか」をあらかじめ考えておくことが重要です。

政策を始めてから、都合のいい数字を探すのではありません。

「何を良くしたいのか」

「どうなれば成果と言えるのか」

を最初に考える。

私は、この姿勢が大切だと考えています。

市民から見ても「成果が分かる市政」へ。

KPIを設定するメリットは、行政内部だけのものではありません。

市民の皆さまから見ても、

  • この政策は何を目指しているのか
  • どこまで進んでいるのか
  • 成果は出ているのか

が分かりやすくなります。

これは、税金がどのような成果につながっているのかを、より分かりやすくすることにもつながります。

政策の目的と成果を、できるだけ市民に見える形にする。

私はそれが、行政への信頼にもつながると考えています。

私が目指す市政

私は、政策を「やったかどうか」だけではなく、「その結果、市民の暮らしがどう良くなったか」まで確認する市政を目指しています。

目標を決める。

成果を測る。

現場の声を聞く。

うまくいかなければ改善する。

そして、次の政策につなげる。

KPIは、そのための道具です。

大切なのは、KPIという横文字を使うことではありません。

市民の皆さまから見て、「何を目指しているのか」「何が変わったのか」が分かる行政にすることです。

限られた財源だからこそ、一つひとつの政策の成果に向き合う。

私はこれからも、「やりました」で終わらない市政を目指してまいります。

今回のポイント

  • KPIは「目標への進み具合を測るものさし」
  • 政策は実施することがゴールではない
  • 数字と現場の声、両方を見ることが大切
  • 成果が見えれば、改善すべきことも見えてくる
  • 市民から見ても成果が分かる行政へ

「政策は、『やりました』で終わらせない。『何が良くなったか』まで確認する。」

これが私の考える、成果を重視する市政です。

執筆

瀬村 尚央(せむら ひさお)

岩国市議会議員

Vol.5

限られた財源で、最大の成果を生み出すには

「あれも必要、これも必要。」しかし、使える財源には限りがあります。では、本当に必要な政策をどう選び、市民のために最大の成果を生み出していくのか。次回は「限られた財源」をテーマに、私が考える政策の優先順位についてお伝えします。

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