DXって、結局何なのか。
「AI」「DX」「デジタル化」。
最近、行政でもこうした言葉を聞く機会が増えました。
しかし、
「何が違うの?」
「結局、市民にどんなメリットがあるの?」
と感じる方も多いのではないでしょうか。
DXとは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。
少し難しく聞こえますが、大切なのは言葉を覚えることではありません。
私が考えるDXを一言で表すなら、
「デジタルを使って、仕組みそのものをもっと便利に変えること」です。
「デジタル化」と「DX」は、同じではありません。
例えば、市役所への申請書。
紙で書いていた申請書を、そのままパソコンやスマートフォンで入力できるようにする。
これも便利な変化です。
しかし、それだけでは「紙がデジタルになった」という段階にとどまります。
DXで大切なのは、
- そもそも、この手続きはもっと簡単にできないか?
- 市役所へ来なくても手続きできないか?
- 同じ情報を何度も書かなくて済むようにできないか?
と、利用する市民の立場から仕組みそのものを見直すことです。
「デジタルにする」から
「便利な仕組みに変える」へ
DXで大切なこと
紙をなくすことがゴールではありません。市民の「時間」「移動」「手間」を減らすこと。そのために行政の仕組みそのものを見直す。それがDXです。
市民にとって何が変わるのか。
例えば、仕事や子育てをしながら市役所で手続きをする場面を考えてみます。
平日の昼間に時間をつくる。
市役所まで移動する。
申請書を書く。
窓口で待つ。
場合によっては、別の窓口でもう一度説明する。
一つひとつは小さな負担でも、積み重なれば大きな時間になります。
DXが進めば、
- 市役所へ行かなくてもできる手続きを増やす
- スマートフォンから申請できる
- 同じ情報を何度も書く負担を減らす
- 必要な情報を見つけやすくする
- 手続きにかかる時間を短くする
といった改善につなげることができます。
つまり、
行政のDXは市役所のためだけに行うものではありません。
市民の皆さまの「時間」と「手間」を減らすために行うものです。
では、AIとDXは何が違うのか。
Vol.2では、AIについてお伝えしました。
AIとDXは関係していますが、同じものではありません。
分かりやすく言えば、
AIは「道具」。
DXは「仕組みを変えること」。です。
例えば、
AIを使って問い合わせへの回答を早くする。
これはAIの活用です。
しかし、
問い合わせそのものを減らせるように情報の出し方を見直したり、オンラインで手続きが完結する仕組みをつくったりする。
これはDXの考え方です。
AIを導入すること自体が目的なのではありません。
AIなどの新しい技術も活用しながら、市民にとって便利な行政へ仕組みそのものを変えていく。
そこにDXの意味があります。
- 文章の要約
- 問い合わせ対応の補助
- 資料作成の支援
仕事を「助ける」
- オンライン申請
- 手続きの簡素化
- 情報の一元化
仕事やサービスの「あり方を変える」
AIなどの技術を活用しながら、市民にとってより便利な仕組みへ変えていく。
デジタルが苦手な人を置き去りにしてはいけません。
一方で、DXを進める上で私が大切だと考えていることがあります。
それは、
「デジタル化できるものは、すべてデジタルだけにすればいい」ということではありません。
スマートフォンやパソコンが得意な方もいれば、対面で相談したい方もいます。
高齢者をはじめ、デジタルに不慣れな方への配慮も欠かせません。
オンラインという新しい選択肢を増やしながら、必要な方には人がしっかり寄り添う。
私は、
「デジタルか、人か」ではなく、
「デジタルも、人も」という行政が大切だと考えています。
私が目指す行政
DXの目的は、最新のシステムを導入することでも、「デジタル化しました」と言うことでもありません。
大切なのは、その結果として、市民の皆さまが
- 「便利になった」
- 「分かりやすくなった」
- 「時間がかからなくなった」
と実感できることです。
そして、本当に便利になったのかを確認し、さらに改善していく。
ここでVol.1でお伝えしたEBPMの考え方にもつながります。
3つの考え方は、ひとつにつながる
AIは「道具」。DXは「仕組みを変える」。EBPMは「成果を確かめ、改善する」。
私は、これらを単なる流行の言葉で終わらせるのではなく、市民の暮らしをより良くするために活用していきたいと考えています。
今回のポイント
- デジタル化とDXは同じではない
- DXは「仕組みそのもの」を便利に変えること
- AIは道具、DXは仕組みを変えること
- 目的は市民の「時間・移動・手間」を減らすこと
- デジタルが苦手な方を置き去りにしない
「紙をなくすことが目的ではない。市民の手間をなくすことが目的です。」
これが私の考える行政DXです。
執筆
瀬村 尚央(せむら ひさお)
岩国市議会議員
Vol.4
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