瀬村尚央 政策コラム Vol.21

地域コミュニティが、岩国を強くする

防災。子育て。高齢者の見守り。地域行事。困った時の助け合い。

私たちの暮らしには、行政サービスだけでは支えきれない部分があります。だからこそ、地域のつながりは大切です。

でも、「昔と同じやり方を続けること」と、「地域のつながりを守ること」は、同じではありません。

瀬村尚央第4章地域への投資約4分
目次

暮らしのすぐそばに、地域のつながりがある。

Vol.20では、防災について考えました。災害が起きた時、設備や行政の対応だけではなく、近所で声をかけ合える関係も地域を支える力になります。

これは、災害時だけの話ではありません。子どもの見守り。高齢者への声かけ。地域の清掃。お祭りや行事。ちょっとした困りごとの相談。普段は意識しなくても、地域のつながりが暮らしを支えている場面があります。

だから私は、地域コミュニティも、道路や防災と同じように、暮らしを支える大切な「地域の基盤」だと考えています。

道路だけが、地域のインフラではない。「人と人とのつながり」も、暮らしを支える基盤です。

困った時に、声をかけられる。相談できる。支え合える。そんな関係も、地域の力になります。

でも、「地域活動が大切」で終わらせてはいけない。

地域活動の現場には、別の課題もあります。役員のなり手がいない。いつも同じ人が担っている。仕事や子育てとの両立が難しい。行事や会議の負担が大きい。

こうした中で、ただ「地域活動は大切だから、もっと参加してください」と言うだけでは、続かないと思っています。必要なのは、地域のつながりを守るために、活動の「続け方」を見直すことです。

地域を支えるのは、「一部の人」だけではない。
地域
  • 住民暮らしの中で
  • 自治会・地域団体地域の拠点として
  • 子育て世代・若者できる時に
  • 企業・事業者得意な分野で
  • 行政支える役割で

「誰かが全部やる」から、

「できる人が、できる形で関わる」へ。

「参加する・しない」の二択にしない。

地域活動というと、自治会役員になる、毎回会議に出る、行事の準備をする。そんなイメージを持つかもしれません。でも、地域への関わり方は、もっと多様でいいと思っています。

イベントの日だけ手伝う。子どもの見守りに参加する。SNSやデザインなど、得意なことだけ協力する。企業として協力する。地域外から関わる。

「全部できる人」を探すのではなく、一人ひとりが、できることを、できる範囲で持ち寄る。それも、担い手不足への一つの答えだと思います。

地域参加を、「0か100か」にしない。
  • 知る
  • 参加する
  • 少し手伝う
  • 得意分野で関わる
  • 運営に関わる

どこから関わってもいい。

参加の「入口」を増やす。

行政が地域活動を「代わりにやる」のでもない。

担い手が減っているからといって、行政がすべての地域活動を代わりに行うことは現実的ではありません。一方で、「地域のことは地域で」と任せきるのも違います。

行政には、負担を減らす。必要な情報を届ける。団体同士や、企業・学校との連携を支える。デジタル化を後押しする。地域ごとの課題に応じて支援の形を考える。といった役割があります。地域が主体でありながら、抱え込ませない。そんな関係が必要だと考えています。

「地域に任せる」でも、「行政が全部やる」でもない。

地域が主体。行政は支える。そして、企業や学校、団体ともつながる。

私自身も、地域活動の中で感じてきました。

私自身も、地域の行事や寺子屋など、さまざまな地域活動に関わってきました。そこで感じるのは、地域活動には、行政の制度だけでは生まれない価値があるということです。

子どもと大人が顔見知りになる。世代の違う人が一緒に活動する。地域の歴史や文化が受け継がれる。何かあった時に、「あの人に聞いてみよう」と思える関係ができる。

一方で、活動を続ける人たちの負担が大きくなっていることも感じます。だからこそ、「大切だから続ける」だけではなく、どうすれば無理なく続けられるのか。そこまで考える必要があります。

地域ごとに、答えは違う。

岩国には、市街地、中山間地域、沿岸部、住宅地があり、それぞれ人口構成も、交通も、抱えている課題も違います。防災が大きな課題の地域もあれば、高齢者の移動、子どもの居場所、行事の担い手、空き家が課題の地域もあります。

だから、市全体で一つの地域活動の形を押しつけるべきではありません。行政が制度をつくり、地域がそれに合わせるのではなく、地域の課題から考え、必要な支援を組み合わせる。そんな地域政策が必要だと思っています。

私が目指す岩国

地域コミュニティは、昔の形に戻すことが目的ではありません。大切なのは、困った時に声をかけられる。子どもを地域で見守れる。災害時に支え合える。そんな関係が、これからも残っていることです。

そのためには、変えてはいけないものと、変えなければならないものを分ける必要があります。地域への思い、人と人とのつながり、支え合うという価値は残す。一方で、会議、役割、行事、情報共有、参加方法といった「やり方」は、時代に合わせて変えていく。

私は、地域活動を守るためにこそ、地域活動を変えていく。そんな地域づくりを進めたいと考えています。

今回のポイント

  • 人と人とのつながりも、暮らしを支える「地域の基盤」
  • 地域活動の担い手不足を「参加してください」だけで解決しない
  • 「全部参加する」以外にも、多様な関わり方をつくる
  • 地域に任せきらず、行政は負担軽減や連携を支える
  • 地域の価値を残すために、活動の「やり方」は変えていく

「地域を守るためにこそ、地域活動の形を変えていく。」

変わらないのは、人と人とのつながりの大切さ。変えていくのは、その続け方。

執筆

瀬村 尚央(せむら ひさお)

岩国市議会議員

Vol.22

公共交通を守る意味

車を運転できる間は、公共交通の必要性を感じにくいかもしれません。しかし、高齢になった時。子どもが移動する時。車を使えない時。「移動できること」は、暮らしそのものに関わります。次回は、バスや鉄道を「乗り物の問題」ではなく、暮らしの選択肢として考えます。

近日公開

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