瀬村尚央 政策コラム Vol.19

道路は、暮らしを支えるインフラ

道路は、ただ車が走るためだけのものではありません。

学校へ行く。仕事へ行く。病院へ行く。買い物へ行く。荷物を届ける。救急車が走る。災害時に避難する。

毎日の暮らしは、一本一本の道路によってつながっています。

だから私は、道路を「工事」ではなく、「暮らし」から考えたいと思っています。

瀬村尚央第4章地域への投資約5分

CHAPTER 4 START

地域への投資

道路。防災。公共交通。地域コミュニティ。私たちが毎日、安心して暮らし続けるための「地域の基盤」を考える。第4章では、人口減少時代にも持続できる岩国の地域づくりについて考えます。

目次

道路の先には、誰かの暮らしがあります。

道路について議論すると、どうしても「何メートル整備するのか」「どこを舗装するのか」「いくらかかるのか」という話になりがちです。

もちろん、それらも重要です。しかし、道路そのものが目的ではありません。

その道路を使って、子どもが学校へ行く。働く人が会社へ行く。高齢者が病院へ行く。商品が店へ届く。救急車や消防車が現場へ向かう。道路の先には、必ず誰かの暮らしがあります。

だからこそ私は、道路整備を「工事の話」だけで終わらせず、「暮らしをどう支えるのか」という視点から考えることが大切だと思っています。

道路を整備することが、目的ではない。その先にある「暮らし」を守ることが目的です。

通勤。通学。買い物。通院。物流。救急。防災。一本の道路が、さまざまな暮らしを支えています。

一本の道路には、いくつもの役割がある。

普段は、毎日何気なく通っている道路。しかし、少し視点を変えると、いくつもの役割を持っていることが分かります。

朝は、子どもたちの通学路。昼は、仕事や買い物へ向かう道。地域企業にとっては、商品や資材を運ぶ物流の道。高齢者にとっては、病院や生活サービスへつながる道。そして、災害や事故が起きた時には、救急車や消防車、避難や復旧活動を支える道になります。

つまり、道路政策は、建設分野だけの政策ではありません。教育。福祉。経済。防災。子育て。地域づくり。さまざまな政策とつながっています。

図解でわかる一本の道路が、いくつもの暮らしを支えている。道路は、生活をつなぐ「基盤」。
  • 通学

    子どもが安全に学校へ

  • 通勤

    働く場所へつながる

  • 通院

    医療へつながる

  • 物流

    商品や資材を届ける

  • 救急・消防

    命を守るルート

  • 防災

    避難・復旧を支える

道路

暮らしがつながる

「新しくつくる」だけが、道路政策ではありません。

道路政策というと、新しい道路をつくることを思い浮かべるかもしれません。しかし、これから重要になるのは、今ある道路をどう安全に使い続けるのか、という視点です。

舗装。側溝。橋。ガードレール。カーブミラー。道路照明。区画線。歩道。こうしたものも、時間とともに劣化していきます。そして、道路や橋を一度つくれば、その後も維持管理が必要になります。

人口が減少し、財源にも限りがある中で、すべてを同じように更新していくことは簡単ではありません。だからこそ、「つくる」だけではなく、「守る」「直す」「長く使う」という視点が、これまで以上に重要になります。

道路政策は、「つくる」だけではない。
  • つくる
  • 守る
  • 直す
  • 長く使う
新設維持管理安全対策長寿命化

暮らしを支え続ける

すべてを一度には、できません。

道路について、地域からさまざまな要望をいただきます。道路を広げてほしい。舗装を直してほしい。歩道をつくってほしい。危険な交差点を改善してほしい。カーブミラーを設置してほしい。水がたまらないようにしてほしい。

どれも、実際の暮らしの中から出てくる大切な声です。一方で、予算にも、人にも、時間にも限りがあります。だから、要望があった順にすべて実施する、というわけにはいきません。そこで必要なのが、優先順位です。

図解でわかる限られた財源だからこそ、「優先順位」を明確にする。
道路の課題

4つのレンズで見る

  1. 01安全性

    事故や危険の可能性は高いか

  2. 02緊急性

    今すぐ対応する必要があるか

  3. 03利用・影響

    どれだけ暮らしに影響するか

  4. 04将来性

    今後も必要な基盤か

優先順位を判断必要なところから改善

「声が大きい順」ではなく、必要性と効果から考える。

「声が大きい人」だけの道路にしない。

地域の要望を聞くことは、非常に重要です。現場で暮らしている人だからこそ、行政では気づきにくい危険や不便を知っていることがあります。私自身も、地域を歩き、さまざまな道路や生活環境について相談を受けてきました。だからこそ、現場の声は大切にしたいと思っています。

一方で、声を上げられる人だけが有利になる仕組みにしてはいけません。声が届いていない場所にも、危険はあるかもしれない。子ども。高齢者。障害のある方。車を運転しない人。さまざまな立場から、道路を見る必要があります。

私自身、地域の道路課題と向き合ってきました。

市議会議員として活動する中で、道路に関する相談は、地域からいただく声の中でも身近なものの一つです。

危険な場所。見通しの悪い場所。通学路。水がたまりやすい場所。カーブミラー。転落防止。交通量による混雑。一つひとつを見ると、小さな課題に見えるかもしれません。しかし、そこで暮らしている人にとっては、毎日の生活に関わる問題です。

私自身、現場へ行き、地域の方から話を聞き、行政と協議することを大切にしてきました。そこで感じるのは、道路の課題は、図面だけでは分からないことが多い、ということです。実際に歩く。車で通る。時間帯を変えて見る。地域の人から聞く。そうして初めて、見えてくる課題があります。

道路は、「安全」だけでもありません。

道路政策で最も重要な視点の一つは、もちろん安全です。しかし、道路にはもう一つ、「地域をつなぐ」という役割があります。

例えば、工業団地と幹線道路がスムーズにつながる。地域と市街地がつながる。住宅地から学校や病院へ行きやすくなる。物流が動きやすくなる。こうした道路ネットワークは、地域経済や暮らしにも影響します。

つまり、道路は「危険だから直す」だけではなく、地域の将来を考える上でも重要な基盤です。

道路には、二つの大きな視点がある。

暮らしを守る

  • 安全
  • 通学
  • 救急
  • 防災

地域をつなぐ

  • 通勤
  • 物流
  • 地域間移動
  • 経済活動

「安全」+「つながり」から考える。

子どもの目線で見ると、道路の意味が変わる。

Vol.12では、「まち全体を、子どもたちの学びの場へ」という考え方をお伝えしました。その中でも触れたように、通学路は、子どもたちが毎日使う大切な生活空間です。

大人にとっては、何でもない交差点でも、子どもの身長から見ると車が見えにくいかもしれない。歩道が狭い。車の速度が速い。雨の日に水がたまる。暗い時間帯に見えにくい。

道路を見る時には、「車が通れるか」だけではなく、「誰が使うのか」という視点が重要です。

同じ道路でも、見る人によって課題は変わる。
  • 子ども
  • 高齢者
  • ドライバー
  • 歩行者・自転車

誰にとっても使いやすい道路へ

一つの視点ではなく、複数の立場から優先順位を考える。

道路にも、「予防」の考え方を。

道路や橋は、壊れてから直せばいい、というものではありません。大きく傷んでから対応すれば、工事が大きくなり、費用や通行への影響も大きくなる可能性があります。

だから、点検する。状態を把握する。必要な補修をする。計画的に更新する。という「予防」の視点も重要です。これは、財政を考える上でも大切な考え方です。

目の前の修繕だけでなく、10年後。20年後。誰が、どのように維持していくのか。そこまで考えて、インフラに責任を持つ必要があります。

「壊れてから」だけではなく、「壊れる前」から考える。
  1. 1点検
  2. 2補修
  3. 3長く使う
  4. 4計画的な更新

10年後、20年後にも使い続けられるインフラへ。

道路整備にも、「成果」を見る。

道路工事が完成した。それだけで、政策の評価を終わらせてはいけません。危険は減ったのか。歩きやすくなったのか。渋滞は改善したのか。救急や物流は動きやすくなったのか。地域の暮らしはどう変わったのか。

もちろん、すべての道路整備を一つの数字だけで評価することはできません。それでも、「工事をした」から、「暮らしがどう変わったか」へ。道路政策にも、成果を見る視点が必要だと考えています。

「工事が終わった」で終わらせない

工事の完成暮らしへの効果
  • 安全
  • 移動
  • 暮らし
  • 地域への効果

「何をつくったか」から、「何が良くなったか」へ。

私が目指す岩国

道路は、目立つ政策ではないかもしれません。毎日使えて当たり前。安全に通れて当たり前。そんな存在です。でも、その「当たり前」がなくなれば、暮らしは大きく変わります。

だからこそ、新しいものをつくるだけではなく、今ある道路を守る。危険な場所を改善する。必要な場所には投資する。そして、限られた財源の中で、優先順位を考える。地域の声を聞きながら、現場を見て、客観的な視点も持って判断する。私は、そんな道路政策が必要だと考えています。

道路をつくることが目的ではありません。子どもが安全に学校へ行ける。働く人が仕事へ行ける。高齢者が病院へ行ける。商品が届く。救急車が走れる。災害時にも地域がつながる。そんな「当たり前の暮らし」を支え続けること。それが、道路への投資だと考えています。

今回のポイント

  • 道路は、通勤・通学・医療・物流・救急・防災など暮らしを支える基盤
  • 道路政策は「新しくつくる」だけでなく、維持・補修・長寿命化も重要
  • 限られた財源の中では、安全性・緊急性・影響・将来性から優先順位を考える
  • 地域の声と、現場確認・客観的な視点の両方を大切にする
  • 「何を工事したか」ではなく「暮らしがどう良くなったか」まで見る

「道路をつくることが、目的ではない。その先にある『当たり前の暮らし』を支える。」

一本の道路の先には、誰かの毎日があります。

執筆

瀬村 尚央(せむら ひさお)

岩国市議会議員

Vol.20

防災は、「もしも」ではなく「いつか」の備え

災害は、起きてから考えるのでは遅い。避難。情報。道路。地域のつながり。そして、日頃からの備え。次回は、防災を「災害が起きた時だけの政策」ではなく、毎日の暮らしを守る地域づくりとして考えます。

近日公開

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10年後、20年後の岩国に責任を。

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