瀬村尚央 政策コラム Vol.11

地域で子どもを育てるということ

子どもを育てる中心は、家庭です。

でも、家庭だけですべてを抱える必要はありません。

地域の中で人と出会い、さまざまな経験をする。

そのつながりが、子どもの成長にも、地域の未来にもつながると考えています。

瀬村尚央第2章子どもへの投資約5分
目次

子どもの頃、地域にどんな大人がいましたか。

近所で声をかけてくれた人。

スポーツを教えてくれた人。

地域行事で一緒になった人。

悪いことをした時に叱ってくれた人。

自分の知らない仕事や世界を教えてくれた人。

学校の先生や家族とは違う大人との出会いが、子どもの記憶に残ることがあります。

子どもは、家庭や学校だけで成長するわけではありません。

地域で人と出会い、さまざまな価値観や経験に触れることも、その子の世界を広げるきっかけになります。

地域には、教科書にはない学びがあります。

岩国には、さまざまな経験を持った人がいます。

ものづくりをしている人。

会社を経営している人。

農業に携わっている人。

スポーツや文化を続けている人。

地域行事を守っている人。

長く地域で暮らしてきた人。

そうした方々が持っている経験は、地域にとって大切な財産です。

例えば、仕事の話を聞く。

地域の歴史を教えてもらう。

一緒に地域行事をつくる。

こうした経験によって、子どもたちは、「自分が暮らしているまちには、こんな人がいるんだ」「こんな仕事があるんだ」「自分もやってみたい」と気づくかもしれません。

地域そのものが、子どもたちにとっての学びの場になる。

私自身も、地域で子どもたちと関わってきました。

私自身、「装港寺子屋」の実行委員長として、地域の子どもたちと関わる活動を続けています。

装束小学校が休校となった今も、この活動を続けています。

なぜ続けるのか。

学校がなくなったからといって、地域と子どもたちとのつながりまでなくしてはいけないと思うからです。

寺子屋も、勉強を教えることだけが目的ではありません。

地域の大人と話す。

違う学年の子どもと過ごす。

地域のことを知る。

普段できない経験をする。

そこにも、子どもたちにとっての学びがあります。

私が「地域で子どもを育てる」ということを大切にしているのは、政策としてそう考えているだけではありません。

実際に地域で子どもたちと関わる中で、その大切さを感じてきたからです。

だからこそ私は、地域と子どもをつなぐ仕組みを、もっと大切にしたいと考えています。

図解でわかる子どもを育てることが、地域の未来につながる。地域から子どもへ。そして、いつか子どもから地域へ。
地域と出会う人・仕事・文化・歴史を知る
経験する学ぶ・遊ぶ・挑戦する
自分の世界が広がる興味や選択肢が増える
地域とのつながりが残る帰る・関わる・応援する
  • 岩国に残る。
  • 一度外へ出る。
  • 外から関わる。

選ぶ道は、それぞれ。

岩国とのつながり

次の世代へ

育ててもらった記憶が、地域とのつながりになる。

地域で育てる、本当の意味

子どもを地域に縛るのではなく、地域との「つながり」を残す。

岩国に残る。外へ挑戦する。いつか帰ってくる。離れた場所から関わる。どんな道を選んでも、「岩国は自分のふるさとだ」と思える関係をつくることが大切です。

子どもを、地域に縛りたいわけではありません。

私は、岩国で育った子どもたち全員に、「岩国に残ってほしい」と言いたいわけではありません。

一度、外へ出ることも大切だと思っています。

大学へ進学する。

別の地域で働く。

海外へ挑戦する。

いろいろな人と出会う。

岩国ではできない経験をする。

それも、その人の人生にとって大切な選択です。

大切なのは、「出ていかないまち」をつくることではなく、「離れても、つながっていたいまち」をつくることではないでしょうか。

岩国を離れても、故郷を応援する。

仕事で関わる。

地域の商品を買う。

友人を連れて帰ってくる。

そして、人生のどこかで「岩国に帰ろうかな」と思う。

地域との関わり方は、住むことだけではありません。

だからこそ、子どもの頃から地域との良い接点をつくることに意味があると考えています。

地域との関わり方は、一つではない。

岩国とのつながり

住み続ける一度外へ出て帰る
離れた場所から応援する仕事や活動で関わる

「住んでいるか」だけでなく、「つながっているか」。

地域にとっても、子どもとのつながりは大切です。

地域で子どもを育てることには、もう一つ意味があります。

それは、子どもが地域を知ることで、地域そのものも次の世代へつながっていくということです。

地域のお祭り。

文化。

歴史。

スポーツ。

人と人とのつながり。

こうしたものは、建物のように残しておけば、自然に次の世代へ受け継がれるものではありません。

実際に参加する。

人から教えてもらう。

自分で経験する。

そうした中で初めて、「自分たちの地域のこと」として記憶に残っていきます。

だから私は、子どもと地域が接点を持つ機会をつくることは、地域コミュニティを未来へつなぐことにもなると考えています。

行政の役割は、「全部やること」ではなく「つなぐこと」。

では、行政は何をするべきなのか。

私は、行政がすべての子どもの活動を直接運営する必要はないと考えています。

地域には、すでに多くの人材や活動があります。

一方で、「子どもたちに経験を伝えたい人」と「何かをやってみたい子ども」が出会えていないこともあります。

地域団体。

学校。

企業。

スポーツ。

文化。

行政。

それぞれが持っている力を、必要なところでつないでいく。

そして、地域だけでは難しい部分を行政が支える。

新しい事業を増やすことだけではなく、今ある地域の力を活かす仕組みをつくる。

私は、それも行政の重要な役割だと考えています。

「参加人数」だけでは、成果は分かりません。

地域と子どもをつなぐ取り組みも、イベントを開催して終わりではありません。

何人参加したのか。

これはもちろん一つの数字です。

しかし、本当に知りたいのは、その先です。

地域に興味を持ったのか。

新しい人と出会えたのか。

また参加したいと思ったのか。

自分の住む地域を少し好きになったのか。

新しい挑戦につながったのか。

こうした変化も見ながら、取り組みを改善していく必要があります。

「何回やったか」だけではなく、「どんなつながりが生まれたか」。

私は、そこまで見ていきたいと思っています。

私が目指す岩国

子どもたちは、いつか大人になります。

岩国に残る人もいる。

一度外へ出る人もいる。

世界へ挑戦する人もいる。

そして、いつか岩国へ帰ってくる人もいる。

どの道を選ぶかは、一人ひとりが決めることです。

だからこそ私は、子どもたちの将来を地域が決めるのではなく、どんな道を選んでも、岩国とのつながりが心のどこかに残るまちにしたいと思っています。

地域の人に声をかけてもらった。

地域で何かに挑戦した。

自分の知らない世界を教えてもらった。

地域のお祭りに参加した。

そんな小さな記憶が、大人になった時、「岩国で育ってよかった」という気持ちにつながるかもしれません。

そして、いつかその人が、次の世代の子どもたちを支える側になるかもしれない。

地域が子どもを育て、育った人が、また地域とつながっていく。

私は、そんな循環が続く岩国を目指していきます。

そして、子どもたちの学びは、学校の中だけにあるわけではありません。この続きは、次回お伝えします。

今回のポイント

  • 地域の人との出会いも、子どもの大切な学びになる
  • 「装港寺子屋」での実践から、その大切さを感じてきた
  • 地域にある人・仕事・文化・経験を子どもたちにつなぐ
  • 岩国に残ることだけを求めず、外へ挑戦する選択も大切にする
  • 地域が子どもを育て、そのつながりを次の世代へつなげる

「子どもを地域に縛るのではなく、地域との『つながり』を残す。」

どこで活躍しても、「岩国は自分のふるさとだ」と思えるまちへ。

執筆

瀬村 尚央(せむら ひさお)

岩国市議会議員

Vol.12

まち全体を、子どもたちの学びの場へ

学びは、学校の中だけにあるのでしょうか。通学路で交わす挨拶。地域の自然や歴史。お祭りや文化。スポーツ。地域で働く大人との出会い。子どもにとっては、日常の中にもたくさんの学びがあります。第2章の最後に、「子どもへの投資」と「岩国の未来」がどうつながるのか。まち全体を子どもの成長という視点から考えます。

近日公開

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