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毎日の暮らしの近くに、地域企業があります。
朝、仕事へ向かう。お店で買い物をする。車を修理する。家を建てる。荷物を運ぶ。食事をする。介護や福祉のサービスを利用する。
地域のさまざまな場所で、企業や事業者が私たちの暮らしを支えています。
そして、そこで働いているのも、地域で暮らす人たちです。
地域企業というと、「経済政策」という少し大きな話に聞こえるかもしれません。
しかし実際には、私たちの仕事や暮らしに非常に近い存在です。
だから私は、地域企業を支えることを、企業だけの問題として考えていません。
企業を支えることが、目的ではない。地域の「仕事」と「暮らし」を支えることが目的です。
企業支援を、企業だけで完結する政策にしない。その先にいる、働く人。家族。取引先。地域。まで考える。
一つの会社の向こう側には、多くの人がいる。
例えば、地域企業が新しい仕事を受注する。売上が増える。そこで終わりではありません。
新しく人を採用するかもしれない。社員の待遇を改善できるかもしれない。設備に投資するかもしれない。
地域の別の企業へ仕事を発注するかもしれない。新しい商品やサービスに挑戦するかもしれない。
一つの企業の活動は、そこで働く人だけではなく、取引先やその家族など、さまざまな人につながっています。
だからこそ、地域企業の成長は、地域全体にも影響を与える可能性があります。
- 雇用働く場所が守られる・生まれる
- 人材経験を積む人が育つ
- 地域取引企業同士の仕事が生まれる
- 新しい挑戦商品・サービス設備投資
地域の暮らし
- 所得
- 仕事
- サービス
- 地域経済
- 未来の選択肢
企業の成長を、地域の価値へ。
地域企業が直面している「人」の課題。
地域企業の方々と話をしていると、よく聞く課題の一つが「人材」です。
人を募集しても集まらない。採用しても定着が難しい。若い人材を確保したい。社員を育てたい。
こうした課題は、一つの企業だけの問題ではありません。
企業が人を確保できなければ、事業を続けることが難しくなる。新しい仕事を受けられない。技術を次の世代へ引き継げない。新しいことに挑戦する余力がなくなる。
地域企業の人材不足は、地域の仕事やサービスを将来どう残していくのかという問題でもあります。
だからこそ、人材確保や人材育成は、地域経済を考える上で重要なテーマだと考えています。
- 人が足りない
- 仕事を受けにくい
- 技術・経験を引き継ぎにくい
- 新しい挑戦が難しくなる
- 地域の仕事・サービスにも影響
- 企業の持続可能性
- 地域の持続可能性
人材確保は、私自身も議会で取り上げてきました。
私自身、岩国市議会の一般質問でも、地域企業の人材確保について取り上げてきました。
企業から「人を採用したくても、なかなか人が集まらない」という声を聞いてきたからです。
人材不足を、「企業が自分で何とかする問題」だけで終わらせてしまえば、その影響は、やがて地域の雇用やサービスにも広がります。
だからこそ私は、行政として何ができるのかを問い、人材確保を支援する仕組みについて提言してきました。
大切なのは、制度をつくることそのものではありません。
実際に企業の採用につながったのか。採用した人が定着したのか。企業の成長につながったのか。そこまで見ていくことです。
「人を集める」だけでは、解決しません。
人材確保というと、求人情報を出す。合同説明会を開く。企業を紹介する。そうした取り組みを考えます。
もちろん、それも必要です。
しかし、若い人たちから見れば、「この会社で働きたい」と思えるかどうかも重要です。
働き方。待遇。成長できる環境。会社の将来性。仕事のやりがい。デジタル化。企業文化。地域企業自身が変わっていくことも必要です。
行政が、企業経営そのものに介入するのではありません。
しかし、人材育成。DX。生産性向上。情報発信。採用。事業承継。新しい事業への挑戦。こうした企業の変化を後押しできる部分はあります。
「人を連れてくる」だけではなく、「人に選ばれる企業」を増やす。その両方が必要だと考えています。
人と企業をつなぐ
- 企業を知る
- 求人
- マッチング
- Uターン
企業自身が変わる
- 働き方
- 人材育成
- DX
- 成長機会
選ばれる地域企業へ採用支援 + 企業の成長支援
DXも、企業を強くするための「手段」です。
第1章では、行政のDXについてお伝えしました。同じように、地域企業にとっても、デジタル技術は重要な選択肢です。
ただし、デジタル化すること自体が目的ではありません。
事務作業を減らす。情報共有を早くする。人手不足を補う。社員が本来の仕事に集中できる。新しいサービスを生み出す。
こうした成果につながって初めて、DXには意味があります。
人が少なくなる時代だからこそ、「人を増やす」だけではなく、一人ひとりが力を発揮できる環境をつくることも重要です。
企業DXの目的
- 人が力を発揮する
- 企業が強くなる
DXは目的ではなく、企業を変えるための手段。
地域の中で、お金と仕事がつながる。
地域経済を考える上では、地域企業同士のつながりも大切です。
地域企業が、別の地域企業へ仕事を発注する。そこで新しい取引が生まれる。その企業で働く人の所得になる。その人が地域で買い物をする。
もちろん、経済はそれほど単純ではありません。すべてを地域内だけで完結させることも現実的ではありません。
外から仕事や人、資金を呼び込むことも重要です。
大切なのは、岩国の中だけに閉じることではなく、外とつながりながら、地域にも価値が残る経済をつくることです。
地域の中だけで完結するのではなく、外とつながり、地域に価値を残す。
外から、仕事・人・技術・アイデアを取り込み、地域の企業や人の成長につなげる。
企業支援にも、「成果」を見る。
行政が企業を支援する時、忘れてはいけないことがあります。
それは、税金を使う以上、「何のために支援するのか」を明確にすることです。
補助金を出した。説明会を開催した。支援企業が何社あった。それだけで終わらせない。
例えば人材確保なら、採用につながったのか。その後も働き続けているのか。
DX支援なら、生産性は改善したのか。新しい事業への支援なら、その後どんな価値が生まれたのか。
すべてを数字だけで判断できるわけではありません。しかし、支援した後を確認し、必要なら改善する。
企業支援にも、第1章でお伝えしたEBPMとKPIの視点が必要だと考えています。
- 1支援
- 2企業の変化
- 3雇用・人材・挑戦
- 4地域への効果
「何社支援したか」だけでなく、「地域に何が生まれたか」。
私が目指す岩国
地域企業が元気になる。その意味は、会社の数字が良くなることだけではありません。
働く場所がある。若い人が、「ここで働きたい」と思える。社員が成長できる。新しいことに挑戦できる。
地域企業同士に新しい取引が生まれる。外から仕事や人を呼び込める。そして、企業が地域で事業を続けていける。
そうした企業が増えることが、岩国で暮らし続けられる環境にもつながります。
私は、企業を守るためだけに企業支援をしたいのではありません。
企業の成長を、人の成長へ。雇用へ。新しい挑戦へ。そして、地域の暮らしへ。つなげたいと考えています。
地域企業が元気になる。働く人が元気になる。地域に新しい挑戦が生まれる。その積み重ねが、岩国の力になる。
私は、そんな地域経済を目指していきます。
今回のポイント
- 地域企業は、仕事・人材・サービスなど地域の暮らしを支えている
- 企業の成長を「企業だけの利益」で終わらせず、地域の価値につなげる
- 人材不足は、一企業だけでなく地域の持続可能性にも関わる
- 「人を集める」だけでなく「人に選ばれる企業」を増やす
- 企業支援も「何社支援したか」ではなく「地域に何が生まれたか」を見る
「企業を支えることが、目的ではない。企業の成長を、地域の価値につなげる。」
仕事、人材、挑戦、暮らし。地域企業の成長を、岩国の未来へ。
執筆
瀬村 尚央(せむら ひさお)
岩国市議会議員
Vol.16
若者が働きたいと思える岩国へ
「仕事がある」ことと、「ここで働きたい」と思えることは、同じではありません。給料。働き方。成長できる環境。やりがい。挑戦できる会社。そして、自分らしい暮らし。若い世代から「岩国で働く」が選ばれるためには何が必要なのか。次回は、若者と「働く」を考えます。
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