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市役所の手続きに、どれだけ時間を使っていますか。
市役所で手続きをするために、仕事を休んだり、予定を調整したりした経験はないでしょうか。窓口へ行き、順番を待ち、申請書を書き、必要な書類を提出する。一つひとつは当たり前のことかもしれません。
しかし、そのために使っているのは、市民の大切な時間です。私は、市役所のデジタル化を考える時、まずこの時間に目を向けるべきだと思っています。
便利なシステムを導入したかどうか。それよりも、市民の負担がどれだけ減ったのか。そこに意味があると考えています。
市役所のデジタル化は、市役所のためではない。市民の時間を、取り戻すためにある。
行く時間。待つ時間。書く時間。その一つひとつを、減らしていく。
「行かなくていい市役所」という選択肢。
例えば、自宅から申請できる手続きが増えたとしたらどうでしょうか。仕事の休憩時間にスマートフォンで申請する。必要な情報を事前に入力しておく。手続きの進み具合を確認できる。こうした仕組みがあれば、市役所へ行く回数や、窓口での待ち時間を減らせる可能性があります。
もちろん、すべての手続きをオンラインにすることが正解とは限りません。対面での確認や相談が必要な場合もあります。大切なのは、市民が自分に合った方法を選べることです。
BEFORE
これまでの手続き
- ステップ1:予定を調整する
- ステップ2:市役所へ移動する
- ステップ3:窓口で待つ
- ステップ4:申請書を書く
- ステップ5:手続きを終える
減らしたいのは、市民の「手間」と「時間」。
AFTER
デジタル化が進んだ場合
- ステップ1:スマートフォン等で申請
- ステップ2:必要な情報を入力
- ステップ3:自宅などから提出
- ステップ4:状況を確認
- ステップ5:必要に応じて窓口で相談
※これから目指したい手続きのイメージです。現在すべての手続きがオンラインでできるわけではありません。
手続きのための時間を、
暮らしのための時間へ。
デジタルが苦手な人を、取り残さない。
デジタル化を進める時、忘れてはならないことがあります。それは、すべての人がスマートフォンやパソコンを使いこなせるわけではない、ということです。オンライン申請が増えても、使い方が分からなければ、便利になったとは言えません。だからこそ、窓口での相談や、必要な人への操作支援も大切です。
私は、デジタル化によって窓口を一律になくすのではなく、自分で手続きできる人には便利な選択肢を増やし、支援が必要な人には丁寧に対応できる。そんな市役所を目指すべきだと考えています。
職員の時間も、市民のために使う。
デジタル化の効果は、市民の手続きだけではありません。例えば、職員が同じ情報を何度も入力する作業や、紙の書類を探す時間が減れば、その分、相談対応や地域の課題解決に時間を使えるようになります。
行政の仕事には、機械で効率化できる部分と、人が向き合うべき部分があります。私は、その違いを大切にしたい。デジタルでできることはデジタルに任せる。人にしかできないことには、人の力を使う。その積み重ねが、市民サービスの向上につながると思っています。
減らしたい時間
- 書類の転記
- 重複する入力
- 書類を探す作業
- 不要な待ち時間
増やしたい時間
- 丁寧な相談対応
- 複雑な課題への対応
- 市民への説明
- 政策を考える時間
事務作業を減らし、人に向き合う時間を増やす。
便利さだけでなく、安心も必要です。
行政のデジタル化では、個人情報を適切に守ることも欠かせません。申請内容や個人情報を安全に取り扱うこと。システムに不具合が起きた時の対応を考えておくこと。そして、オンラインを利用できない人にも必要なサービスを届けること。
便利さを追求するだけでは、十分ではありません。安心して利用できることも、市民サービスの大切な条件です。
私が目指す岩国
私はこれまで、議会のペーパーレス化や、RPA、AIなどの活用を含め、行政のICT化について提言してきました。しかし、新しい技術を使うこと自体が目的ではありません。
目指したいのは、市民が必要な手続きを分かりやすく進められること。仕事や家庭の時間を必要以上に削らずに済むこと。そして、困った時には、人に相談できること。デジタル化によって、便利な選択肢を増やしながら、人による支援も大切にする。私は、そんな市役所を目指していきたいと考えています。
市役所が変われば、市民の暮らしも変わる。その変化を、一つひとつ実感できる行政にしていきたいと思います。
今回のポイント
- デジタル化の目的は、市民の時間と負担を減らすこと
- オンラインと対面の両方から、利用しやすい方法を選べることが大切
- デジタルが苦手な人への支援も欠かせない
- 事務作業を効率化し、職員が市民に向き合う時間を増やす
- 便利さだけでなく、個人情報の保護や安心も重視する
「市役所のデジタル化は、市民の時間を取り戻すためにある。」
便利さと安心を、どちらも大切にできる岩国へ。
執筆
瀬村 尚央(せむら ひさお)
岩国市議会議員
Vol.27
「前例主義」から「成果主義」へ
「これまで、こうしてきたから。」行政の仕事では、そんな理由で同じ方法が続いていることもあります。しかし、時代や市民の暮らしが変われば、必要な方法も変わっていくはずです。次回は、前例を否定するのではなく、成果を基準に行政の仕事を見直すことについて考えます。
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