瀬村尚央 政策コラム Vol.26

市役所のデジタル化で暮らしはどう変わるのか

市役所へ行く時間。窓口で待つ時間。何度も書類を書く時間。

その負担を減らすことができたら、私たちの暮らしは、もっと便利になるはずです。

瀬村尚央第5章未来をつくる行政への投資約4分
目次

市役所の手続きに、どれだけ時間を使っていますか。

市役所で手続きをするために、仕事を休んだり、予定を調整したりした経験はないでしょうか。窓口へ行き、順番を待ち、申請書を書き、必要な書類を提出する。一つひとつは当たり前のことかもしれません。

しかし、そのために使っているのは、市民の大切な時間です。私は、市役所のデジタル化を考える時、まずこの時間に目を向けるべきだと思っています。

便利なシステムを導入したかどうか。それよりも、市民の負担がどれだけ減ったのか。そこに意味があると考えています。

市役所のデジタル化は、市役所のためではない。市民の時間を、取り戻すためにある。

行く時間。待つ時間。書く時間。その一つひとつを、減らしていく。

「行かなくていい市役所」という選択肢。

例えば、自宅から申請できる手続きが増えたとしたらどうでしょうか。仕事の休憩時間にスマートフォンで申請する。必要な情報を事前に入力しておく。手続きの進み具合を確認できる。こうした仕組みがあれば、市役所へ行く回数や、窓口での待ち時間を減らせる可能性があります。

もちろん、すべての手続きをオンラインにすることが正解とは限りません。対面での確認や相談が必要な場合もあります。大切なのは、市民が自分に合った方法を選べることです。

市役所の手続きが変われば、暮らしの時間が変わる。市民の手間を減らす、デジタル化の可能性。

BEFORE

これまでの手続き

  1. ステップ1:予定を調整する
  2. ステップ2:市役所へ移動する
  3. ステップ3:窓口で待つ
  4. ステップ4:申請書を書く
  5. ステップ5:手続きを終える

減らしたいのは、市民の「手間」と「時間」。

AFTER

デジタル化が進んだ場合

  1. ステップ1:スマートフォン等で申請
  2. ステップ2:必要な情報を入力
  3. ステップ3:自宅などから提出
  4. ステップ4:状況を確認
  5. ステップ5:必要に応じて窓口で相談

※これから目指したい手続きのイメージです。現在すべての手続きがオンラインでできるわけではありません。

手続きのための時間を、

暮らしのための時間へ。

デジタルが苦手な人を、取り残さない。

デジタル化を進める時、忘れてはならないことがあります。それは、すべての人がスマートフォンやパソコンを使いこなせるわけではない、ということです。オンライン申請が増えても、使い方が分からなければ、便利になったとは言えません。だからこそ、窓口での相談や、必要な人への操作支援も大切です。

私は、デジタル化によって窓口を一律になくすのではなく、自分で手続きできる人には便利な選択肢を増やし、支援が必要な人には丁寧に対応できる。そんな市役所を目指すべきだと考えています。

職員の時間も、市民のために使う。

デジタル化の効果は、市民の手続きだけではありません。例えば、職員が同じ情報を何度も入力する作業や、紙の書類を探す時間が減れば、その分、相談対応や地域の課題解決に時間を使えるようになります。

行政の仕事には、機械で効率化できる部分と、人が向き合うべき部分があります。私は、その違いを大切にしたい。デジタルでできることはデジタルに任せる。人にしかできないことには、人の力を使う。その積み重ねが、市民サービスの向上につながると思っています。

デジタル化で、増やしたいもの。

減らしたい時間

  • 書類の転記
  • 重複する入力
  • 書類を探す作業
  • 不要な待ち時間

増やしたい時間

  • 丁寧な相談対応
  • 複雑な課題への対応
  • 市民への説明
  • 政策を考える時間

事務作業を減らし、人に向き合う時間を増やす。

便利さだけでなく、安心も必要です。

行政のデジタル化では、個人情報を適切に守ることも欠かせません。申請内容や個人情報を安全に取り扱うこと。システムに不具合が起きた時の対応を考えておくこと。そして、オンラインを利用できない人にも必要なサービスを届けること。

便利さを追求するだけでは、十分ではありません。安心して利用できることも、市民サービスの大切な条件です。

私が目指す岩国

私はこれまで、議会のペーパーレス化や、RPA、AIなどの活用を含め、行政のICT化について提言してきました。しかし、新しい技術を使うこと自体が目的ではありません。

目指したいのは、市民が必要な手続きを分かりやすく進められること。仕事や家庭の時間を必要以上に削らずに済むこと。そして、困った時には、人に相談できること。デジタル化によって、便利な選択肢を増やしながら、人による支援も大切にする。私は、そんな市役所を目指していきたいと考えています。

市役所が変われば、市民の暮らしも変わる。その変化を、一つひとつ実感できる行政にしていきたいと思います。

今回のポイント

  • デジタル化の目的は、市民の時間と負担を減らすこと
  • オンラインと対面の両方から、利用しやすい方法を選べることが大切
  • デジタルが苦手な人への支援も欠かせない
  • 事務作業を効率化し、職員が市民に向き合う時間を増やす
  • 便利さだけでなく、個人情報の保護や安心も重視する

「市役所のデジタル化は、市民の時間を取り戻すためにある。」

便利さと安心を、どちらも大切にできる岩国へ。

執筆

瀬村 尚央(せむら ひさお)

岩国市議会議員

Vol.27

「前例主義」から「成果主義」へ

「これまで、こうしてきたから。」行政の仕事では、そんな理由で同じ方法が続いていることもあります。しかし、時代や市民の暮らしが変われば、必要な方法も変わっていくはずです。次回は、前例を否定するのではなく、成果を基準に行政の仕事を見直すことについて考えます。

近日公開

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