目次
行政改革と聞いて、何を思い浮かべますか。
行政改革。そう聞くと、経費削減。職員数の見直し。業務の効率化。そんな言葉を思い浮かべるかもしれません。もちろん、限られた財源を大切に使うことは必要です。
しかし私は、経費を削減すること自体が行政改革の目的ではないと考えています。例えば、窓口の経費が減ったとしても、市民の待ち時間が増えたり、必要な支援を受けにくくなったりすれば、それは本当に良い改革と言えるでしょうか。
行政改革の目的は、市役所の数字を良くすることではなく、市民の暮らしを良くすることだと思っています。
行政改革の目的は、市役所を小さくすることではない。市民の暮らしを、より良くすること。
削減した経費ではなく、生まれた価値を見る。
「効率化」の先に、何があるのか。
例えば、市役所での手続きに長い時間がかかっていたとします。仕事を休んで窓口に行き、書類を書き、何度も説明を受ける。これが改善され、短い時間で手続きが終わるようになれば、市民の負担は減ります。
一方、職員も同じ内容を何度も入力する必要がなくなれば、相談対応や、より複雑な仕事に時間を使えるようになります。つまり、行政の効率化には、市民の時間を守り、職員の力を必要なところに振り向ける、という意味があります。
REFORM
行政の仕事の進め方を見直す
- 手続きの簡素化
- 重複業務の削減
- 情報共有の改善
FOR CITIZENS
市民にとって
- 待ち時間が減る
- 手続きが分かりやすくなる
- 必要な支援につながりやすくなる
FOR STAFF
職員にとって
- 事務作業の負担が減る
- 相談対応に時間を使える
- 課題解決に力を注げる
ONE SHARED PURPOSE
市民サービスの質を高める
効率化は、目的ではなく手段。
市役所の仕事は、減らせばいいわけではない。
行政には、効率化できる仕事もあれば、時間をかけるべき仕事もあります。例えば、同じ情報を何度も入力する作業は、できる限り減らした方がいい。しかし、生活に困っている人の相談や、地域が抱える複雑な課題への対応は、単純に時間を短くすれば良いわけではありません。
大切なのは、減らせる仕事を減らし、人が向き合うべき仕事に時間を使えるようにすること。私は、そのための改革こそ必要だと考えています。
「やりました」ではなく、「良くなりました」へ。
行政改革では、新しいシステムを導入した。会議を減らした。書類を電子化した。といった取り組みが成果として示されることがあります。しかし、それらは改革の途中経過です。
本当に大切なのは、その結果として、市民の手間が減ったのか。手続きが早くなったのか。必要な支援が届きやすくなったのか。ということです。
これまでのコラムでも、EBPMやKPIについてお伝えしてきました。行政改革も同じです。取り組んだ事実だけではなく、暮らしにどんな変化が生まれたのかを確かめる。その視点を大切にしたいと思っています。
取り組みの実績
- システムを導入した
- 会議を減らした
- 書類を電子化した
市民に届いた成果
- 待ち時間が減った
- 手続きが簡単になった
- 支援につながりやすくなった
「改革を実施した」から、「暮らしが良くなった」へ。
改革は、現場の声から始まる。
行政改革を進める上で、忘れてはならないのが現場の声です。窓口で働く職員には、日々の業務で感じる改善のヒントがあります。市民にも、手続きが分かりにくい。何度も同じ説明を求められる。どこに相談すればいいか分からない。といった経験があるはずです。
だからこそ、改革を上から一方的に押しつけるのではなく、市民と職員の双方の声を聞き、何が本当の課題なのかを把握することが大切です。そして、改善した後も、実際に使いやすくなったかを確かめていく。改革は、一度実施して終わりではありません。
私が目指す岩国
私はこれまで、議会のICT化や、行政のデジタル化、EBPMやKPIの活用などを提言してきました。それは、新しい技術を導入すること自体が目的だからではありません。限られた人員や財源の中でも、必要な市民サービスを守り、より良い行政を実現したいからです。
市民にとっては、分かりやすく、利用しやすい市役所。職員にとっては、本来の仕事に力を注げる市役所。そして、取り組みの成果を検証し、改善を続けられる市役所。私は、そんな行政を目指したいと考えています。
行政改革は、市役所のためだけのものではありません。そこで暮らす市民のためにこそ、進めていくべきものです。
今回のポイント
- 行政改革の目的は、経費削減ではなく市民サービスの向上
- 効率化によって、市民の時間と職員の力を生み出す
- 減らすべき仕事と、時間をかけるべき仕事を見極める
- 「何を実施したか」ではなく「何が良くなったか」で評価する
- 市民と職員の声を聞き、改善を続ける
「行政改革は、市役所を変えることが目的ではない。市民の暮らしを、より良くするためにある。」
10年後、20年後の岩国に責任を。
執筆
瀬村 尚央(せむら ひさお)
岩国市議会議員
Vol.26
市役所のデジタル化で暮らしはどう変わるのか
申請書を書く。窓口に並ぶ。何度も同じ情報を伝える。そんな市役所の手続きは、デジタル化によってどう変わるのでしょうか。次回は、デジタル化を目的にするのではなく、市民の時間と負担をどう減らしていくのか。という視点から考えます。
近日公開この記事をシェアする