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「若者が出ていく」ことを、悪いことにしたくない。
地方ではよく、「若者が都会へ出ていってしまう」という話を聞きます。
確かに、人口減少を考えれば、若い世代が地域を離れることは大きな課題です。
しかし私は、若者が一度岩国を離れること自体を悪いことだとは思っていません。
大学へ進学する。
都会の企業で働く。
海外へ行く。
新しい技術を学ぶ。
岩国では出会えなかった人と出会う。
外へ出ることでしか得られない経験もあります。
大切なのは、「出ていかないようにすること」ではありません。
外で経験を積んだあと、人生の選択肢の中に「岩国へ帰る」が残っていること。私は、そこを考える必要があると思っています。
「出ていかないまち」ではなく、「帰ることを選べるまち」へ。
外へ挑戦することも、岩国へ帰ることも、どちらも自分で選べる環境をつくる。
帰りたい気持ちだけでは、帰れない。
「地元が好きなら帰ってくればいい」。それだけでは、現実は変わりません。
生活を考えれば、仕事はあるのか。
自分がやりたい仕事ができるのか。
収入や働き方はどうなのか。
家族と暮らせる環境があるのか。
子育てはしやすいのか。
新しいことに挑戦できるのか。
こうした条件を考えるのは当然です。
つまり、Uターンは「地元への愛着」だけで決まるものではありません。
気持ち
- ふるさとへの愛着
- 家族・友人
- 地域とのつながり
- 岩国での思い出
暮らしの条件
- 仕事
- 収入・働き方
- 住まい
- 子育て
- 挑戦できる環境
岩国へ帰るという選択
「帰りたい」を、「帰れる」に変える。
「仕事がある」と「働きたい仕事がある」は違います。
若者が帰ることを考える時、特に大きな要素の一つが「仕事」です。
ただ、単純に求人があればいい、という話ではありません。
自分が学んできたことを活かせる。
成長できる。
新しい仕事に挑戦できる。
柔軟な働き方ができる。
地域にいながら、地域の外とも仕事ができる。
そうした「ここで働いてみたい」と思える選択肢があることが重要です。
そのためには、地域企業の魅力を高めることも必要です。人材確保。人材育成。生産性向上。デジタル化。新しい事業への挑戦。
若者のUターンを考えることと、地域企業を強くすることは、別々の政策ではありません。
地域企業が変わる
- 働き方
- 成長機会
- DX・生産性
- 新しい事業
- 人材育成
若者の選択肢が増える
- 働きたい
- 帰りたい
- 挑戦したい
- 経験を活かしたい
企業が人を育て、人が企業を強くする。
「帰る」だけではなく、「関わる」という選択肢もある。
そして、これからの地域づくりでは、「住んでいるか、住んでいないか」だけで考えないことも重要だと思っています。
例えば、東京で働きながら、岩国の企業と仕事をする。
外で身につけた技術や経験を、岩国のプロジェクトで活かす。
地元の商品を買う。
イベントに参加する。
地域の人を紹介する。
岩国で新しい事業を始める。
二拠点で生活する。
地域との関わり方は、一つではありません。すぐにUターンできなくても、岩国とのつながりを持ち続けることはできます。
そして、そのつながりが、数年後のUターンや新しい挑戦につながることもあると思っています。
岩国とのつながり
- 住む
- 働く
- 仕事で関わる
- 挑戦する
- 応援する
- 帰ってくる
関係を「0か100か」で考えない。
行政にできるのは、「帰ってきて」と言うことではありません。
行政が、若者に「岩国に帰ってきてください」と呼びかけるだけでは、十分ではありません。
必要なのは、帰ることを選べる環境を整えることです。
地域企業と若者をつなぐ。
地域企業の人材確保や成長を支える。
新しい仕事や事業が生まれやすい環境をつくる。
挑戦したい人が、必要な情報や支援につながれるようにする。
子育てや住環境も含めて、暮らし全体を考える。
そして、「制度をつくったから終わり」ではなく、実際に利用されたのか。就職や採用につながったのか。その後も働き続けているのか。新しい挑戦につながったのか。そこまで確認していく。
私は、そうした政策が必要だと考えています。
私自身、「帰る」という選択をしました。
「帰ってこない理由」を、若者のせいにしない。
若者が帰ってこない時、「最近の若者は地元への愛着がない」と考えてしまうのは簡単です。
でも私は、それだけで終わらせてはいけないと思っています。
帰りたいと思える仕事があるのか。
挑戦できる環境があるのか。
暮らしたいと思えるまちになっているのか。
子どもを育てたいと思えるのか。
自分の経験を活かせる場所があるのか。
問うべきなのは、若者の気持ちだけではなく、地域の側にもあるのではないでしょうか。
POLICY VIEW
「なぜ帰らないのか」ではなく、「帰れる環境があるか」。
若者に選択を求める前に、地域の側が選択肢をつくれているかを考える。
私が目指す岩国
私は、若者を岩国に縛りたいわけではありません。
むしろ、一度外へ出て、いろいろな経験をしてほしいと思っています。
そして、その経験を持った人が、人生のどこかで「岩国でやってみよう」と思った時、仕事がある。仲間がいる。挑戦できる。暮らせる。子育てできる。そんな選択肢のある岩国にしたい。
外へ出る。外で学ぶ。外で挑戦する。
岩国へ帰る。岩国で挑戦する。
あるいは、外にいながら岩国と関わる。
どれか一つが正解なのではありません。
一人ひとりが、自分の人生を選べること。そして、その選択肢の中に「岩国」があること。
私は、そんなまちを目指していきます。
今回のポイント
- 若者が一度岩国を離れること自体を問題にしない
- 「帰りたい」という気持ちだけではUターンはできない
- 仕事や暮らし、挑戦できる環境まで含めて考える
- 地域企業の成長と若者の選択肢はつながっている
- 「帰ってきて」と求める前に「帰れる環境」をつくる
「『出ていかないまち』ではなく、『帰ることを選べるまち』へ。」
若者の人生を地域が決めるのではなく、選択肢の中に「岩国」を残す。
執筆
瀬村 尚央(せむら ひさお)
岩国市議会議員
Vol.14
挑戦する人が、まちを変える
新しいお店を始める。新しいサービスをつくる。地域の課題を解決する。今ある会社で、新しいことに挑戦する。地域の未来は、誰かの小さな「やってみよう」から変わることがあります。では、挑戦する人を地域はどう支えるべきなのか。次回は、「挑戦する人」と「まちの変化」の関係を考えます。
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